稀勢の里、回復優先で土俵上がらず…地元凱旋も2500人“肩すかし”

スポーツ報知
地元茨城出身の稀勢の里(右)に、同郷の高安が水をつける(カメラ・網野 大一郎)

 8場所連続休場中の大相撲の横綱・稀勢の里(32)=田子ノ浦=が9日、少年時代をすごした茨城・龍ケ崎市での夏巡業に参加した。地元の和製横綱の凱旋に約2500人が足を運んだが朝稽古では土俵に上がらず。“肩すかし”を食らわせた形となったが「土俵以外でも体を作ることは大事。しっかりした状態で上がりたい」と土俵に上がらなかった意図を説明した。

 この日午前に茨城県沖を通過した台風13号の影響を考え、通常は屋外にある力士幟(のぼり)を館内2階席から下げたが、全61本中48本が稀勢の里のもの。兄弟子の西岩親方(元関脇・若の里)は、「地元だからやってほしかったけど、やるやらないは本人ですから」と残念がった。6日(諏訪市)、7日(所沢市)と2日続けて幕内力士を指名して14番ずつ相撲。「バテずに最後までやりたい」と回復ルーチンを優先した。

 この日の会場は原点の場所でもある。「5人抜きをしてうまみを知って相撲を始めた」と初めて出場した相撲大会を振り返った。当時は運動公園内の階段で足腰を鍛えた。「嫌だったけどね。体を作ったから今がある」と少年時代を思い出した。

 横綱土俵入り前には小学校時代に所属した野球チーム「竜ケ崎ハリケーンズ」と長山中野球部から激励された。横綱昇進後にボール15ダースとボール用バックを贈呈した後輩からの期待も実感。「ふがいない成績が続いている。しっかり調整して」と秋場所(9月9日初日・両国国技館)初日をちょうど1か月後に控え、決意を新たにしていた。(網野 大一郎)

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