【尾車親方の目】気が付けば…終わってみたらやはり白鵬

スポーツ報知
高安を押し倒しで下し全勝をキープした白鵬(カメラ・堺 恒志)

◆大相撲秋場所11日目 ○白鵬(押し倒し)高安●(19日・両国国技館)

 立ち合いの駆け引きで勝負はほぼ決したといえる。2度の待った後、自分の立ち合いをした白鵬に対し、高安はその動きに合わせた。軍配が返った時の動きはほぼ一緒でも白鵬は腰が伸びてからの動きが鋭い。右から張って左肘を高安の顔面に当てて腰を砕いた。集中力の差。相手に力を出させないのも横綱だ。

 今場所も「負けない白鵬」を見せつけている。大一番でもしっかり自分の力を出すのはさすが名横綱だ。圧巻は9日目の御嶽海との一番だった。土俵中央で右上手を肩越しに取って半身になった時、顔を少し傾けて御嶽海の左足の位置を確認。右足で、その左足を軽く蹴った後に御嶽海の下手を切って寄り切った。どんな動きにも対応できる適応力が白鵬の持ち味だ。

 終盤戦に突入して気が付けば単独トップ、そして終わってみたらやはり白鵬というシーンまで見え隠れしてきた。(スポーツ報知評論家)

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