【尾車親方の目】重心高い稀勢の里 頭を押さえつけてもらえ

スポーツ報知
稀勢の里(右)は御獄海を寄り切りで下す (カメラ・堺 恒志)

◆大相撲秋場所12日目 ○稀勢の里(寄り切り)御嶽海●(20日・両国国技館)

 稀勢の里はなんとか右上手を引いて御嶽海を寄り切ったが、改めて課題がはっきりした。生命線の左を入れると左半身で腰高になってしまう。御嶽海との一番もそう。もっと早く右上手を取らないと苦しい。

 10日目に遠藤を寄り切って勝ち越した。喜んでもらえるのは今場所だけと肝に銘じてほしい。来場所以降は横綱として許されない。ぶつかり稽古で頭を押さえつけてもらえ。重心を低くするにはそれしかない。

 御嶽海は何度も勝つチャンスがあったが、体が前に動かない。初優勝した先場所との違いは立ち合い、当たった後の攻めが遅いこと。11日目の魁聖との一番では心も折れていた。御嶽海は省エネ稽古を自認している“本場所相撲”の力士だ。時代が変わっても稽古が大事だという認識は変わらない。後半のスタミナ、気力は日頃の稽古で補うもの。さらなる奮起を期待したい。

(スポーツ報知評論家)

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