【尾車親方の目】白鵬、第一人者の威厳見せた

スポーツ報知

◆大相撲秋場所13日目 ○白鵬(寄り切り)稀勢の里●(21日・両国国技館)

 白鵬が現状の力の差を見せつけた。立ち合いは右から張って左肩で当たった。二本差し狙いだ。左を入れて右をねじ込み、稀勢の里の苦し紛れの突き落としにも腰を割って残した。出足が鋭く動きが速い。腰も落ちている。すべてが稀勢の里を上回った。白鵬は番付が下の力士には相撲を取らせ、上には厳しさを見せつける。同じ横綱の稀勢の里にもまったく相撲を取らせなかった。これが第一人者の威厳だ。

 相撲にならなかった稀勢の里は真摯(しんし)に完敗を認めるべき。もう少し抵抗するかと思ったが、今場所はよく9番も勝ったというのが正直な感想だ。これだけの差を見せつけられたらもう一度、出直すしかない。場所後の秋巡業ではプライドを捨てて白鵬に胸を借りろ。ぶつかり稽古で頭を押さえてもらい引きずってもらえ。そうしないと白鵬につけられた差は縮まらない。(スポーツ報知評論家)

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