白鵬、恩人・大鵬さんの12年連続優勝を更新して偉大さを実感「やっぱりすごいなと思いました」

スポーツ報知
優勝と幕内通算1000勝を達成した白鵬は記念のボードに「0」の文字を付けて笑顔を見せた。左は宮城野親方

◆大相撲秋場所14日目(22日・両国国技館)

 大相撲秋場所14日目が両国国技館で行われ、前人未到の幕内1000勝と5場所ぶりの41度目の優勝を同時に達成した横綱・白鵬(33)=宮城野=が、恩人の昭和の大横綱・大鵬さん(故人)への感謝の言葉を口にした。

 今回の優勝で初優勝した2006年夏場所から13年連続での優勝。歴代1位だった大鵬さんの12年連続を47年ぶりに塗りかえた。帰りの車に乗り込む間際に報道陣から問われると、「そうね、そう(場所前から)言ってましたね。やっぱり(大鵬さんは)すごいなと思いましたね」と記録を更新して改めて存在の大きさを実感した心境を明かした。

 横綱12年目。角界の大看板として土俵に君臨する大横綱も若き日、「俺はどうなるんだろう」と綱の重圧に苦しんだ。そして訪ねた先が大鵬さんだった。「横綱になるのに年齢は関係ない。宿命だ」と言葉をもらった。「誰かが言った。強い人が大関になり、宿命を持った人が横綱になる」という口癖は大鵬さんのひと言が由来。綱を張る責任を真っ正面から受け止めて数々の記録を樹立してきた。

 2013年1月に大鵬さんが亡くなった際には「私には3人の父がいる」と語り、4月9日に亡くなった実父・ムンフバトさん(享年76)、師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)と並び「角界の父」として心の支えにしてきた。

 「場所前から横綱800勝、幕内1000勝を目標にして臨みました。こんな上出来になるとは思わなかった。幕内1000勝した唯一の人間となった。最高に気持ち良いです」。白鵬は昭和の大横綱の記録を超えて、一つ恩返しができた喜びをかみしめていた。

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