5・2%の力士らが暴力被害 暴力問題再発防止検討委が昨年の最終報告

スポーツ報知

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)から委嘱された「暴力問題再発防止検討委員会」が19日、都内で最終報告会見を行った。

 同委員会は、昨年末の元日馬富士(元横綱)から幕内・貴ノ岩(千賀ノ浦)への暴行など度重なる不祥事を契機として2月に発足。親方、力士ら約900人の協会員から聞き取り調査を実施した。会見で但木敬一委員長(元検事総長)は、暴力を受けたと答えた割合は1978年当時の37%から昨年は5・2%と減少傾向にあるとの回答を公表し、「相撲を愛する子供たちのためにぜひ、この5%の暴力を根絶してもらいたい」と相撲協会に提言した。

 会見では暴力問題の実態も報告された。

 暴力が発生する場所は、相撲部屋の稽古場以外の場所(大部屋、ちゃんこ場など)が多く、日々の雑務に関連する生活指導名目で、同じ部屋に所属する兄弟子が弟弟子に暴力を振るうことが多い。暴力が師匠や親方ら上位の者に報告されることはまれである。

 暴力を受ける側は入門1年目から3年目が多数を占め、暴力を振るう側は同4年目から6年目にかけてが半数を占めた。多くが素手による暴力で、用具を用いることは少ないが、内出血など比較的軽微なケガにとどまらず、骨折や歯が折れるなどのケガに至った場合も少なくない。

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