【尾車親方の目】押し相撲の基本きっちり実践

スポーツ報知
魁聖(右)を突き落としで破った貴景勝

◆大相撲九州場所 6日目 ○貴景勝(突き落とし)魁聖●(16日・福岡国際センター)

 貴景勝が押し相撲の理想を貫いた。魁聖との一番、頭で当たって下から強烈な右の突き手を伸ばした。後は左から突き落とすだけで十分。短い勝負の中、貴景勝の強さだけが際立った。

 突っ張って引いて、突っ張って引いて、突っ張ってが押し相撲の典型。それを実践している。重心が低く下から攻めるので腰の高い相手には脅威になる。立ち合いからの一発目の攻めが抜群で二の矢、三の矢も続いてくる。

 今場所は6勝のうち、はたき込みと突き落としで3勝。前に出る圧力が効果を倍増させている。苦し紛れの突き落としとは訳が違う。現役時代の私が最も嫌なタイプ。今後、対戦する高安、栃ノ心にとっては難敵といえる。ただ、押し相撲は連勝もするが連敗もする。一つの黒星で歯車がズレてしまう。そこさえ注意すれば、かなりの数字は残すと思う。(スポーツ報知評論家)

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