元貴ノ岩「頑張れ、絶対辞めるな」暴行相手の弟弟子・貴大将にエール

2018年12月9日6時10分  スポーツ報知
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 大相撲の冬巡業先で付け人に暴力を振るって7日に現役引退した元幕内・貴ノ岩(28)が、被害を受けた三段目・貴大将(23)=千賀ノ浦=に改めて謝罪した。8日の朝稽古後、貴大将が「頑張れ、絶対辞めるな」と7日夜に兄弟子から掛けられた言葉を明かした。日本相撲協会はこの日、今回の不祥事を重く受け止め、19日に全関取を対象にした特別研修の実施やコンプライアンス委員会を発足させると発表した。

 元貴ノ岩がケジメの引退会見に臨んでから一夜明け、東京・台東区の千賀ノ浦部屋では通常通りの朝稽古が行われた。約70人の報道陣が殺到した騒ぎから一転。平穏を取り戻し、数人の記者の前で、暴行被害を受けた貴大将は四股など基本運動を繰り返した。師匠・千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)も「淡々と変わらずにやっていくしかない」と普段通りに指導した。

 朝稽古後、貴大将は元貴ノ岩から会見のあった7日夜に、改めて謝罪を受けたことを明かした。「(元貴ノ岩から)『頑張れ、絶対辞めるな』と言ってもらった。自分は頑張っていくしかない」。現在は謹慎していた部屋を出て、都内の自宅マンションに戻った兄弟子の、最後の言葉を受け止めた。元貴ノ岩は当面は自宅にとどまり、今後について考えるという。

 貴大将は4日夜に平手や拳で4~5発頬を殴打された顔の腫れも引き、週明けには相撲を取る稽古を再開する。千賀ノ浦親方は「幕内で相撲を取った男だから最後の花道としてやってあげたい」と2月中旬にも元貴ノ岩の断髪式を行う意向を示した。

 正式処分が下される前に、元貴ノ岩は自ら土俵を去ったが、相撲協会は10月に「暴力決別宣言」を発表した直後の不祥事を重く受け止めた。この日、6項目からなる暴力問題への当面の対応策を示した。冬巡業の合間を縫って、19日に全関取を集めた特別研修を実施するが、これは来年2月予定だったものが前倒しして行われる。また、部屋の全師匠には所属関取に対し、「小間使いではない」など付け人指導の徹底も約束した。

 19日の理事会では今後の力士の暴力に対する一定の処分基準も定めるとした。昨年10月から暴力問題が続発し、角界には厳しい世間の目が向けられた。元貴ノ岩の幕引きと貴大将の再出発を機に、今度こそ負の連鎖を断ち切る。

 ◆6項目の暴力問題対策

 日本相撲協会が8日、暴力問題に対する当面の対策として発表した。

 〈1〉全師匠から全関取へ緊急指導

 付け人の処遇改善として、各部屋の師匠が関取へ「付け人は小間使いではない」「感謝の気持ちで接する」などと指導をする。

 〈2〉全関取の特別研修

 19日に全関取を対象とした「付け人に関する特別研修」を実施する。

 〈3〉暴力禁止規定の施行と公表

 「暴力禁止規定」を19日の理事会で承認し、同日施行する。

 〈4〉コンプライアンス委員会の発足

 暴力禁止規定の施行に伴い、外部有識者3人を加えた新組織として19日に発足させる。

 〈5〉力士の暴力に対する処分基準

 昨年10月からの元日馬富士関ら一連の暴力問題と、今回の元貴ノ岩の事案も踏まえ、暴力を振るった場合、番付に応じてどのような懲戒処分をするか19日に一定基準を定める。同時に、元貴ノ岩の師匠・千賀ノ浦親方の監督責任も検討する。

 〈6〉教育研修担当顧問の選任

 新弟子から関取まで、力士の段階別研修の効果を高めるために、外部有識者1人を19日に委嘱する。

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