稀勢の里、3連敗に落胆の声 八角理事長「脇が甘い」

スポーツ報知
支度部屋で大勢の報道陣を前に考え込む稀勢の里(カメラ・能登谷 博明)

◆大相撲初場所 3日目 ○栃煌山(寄り切り)稀勢の里●(15日・両国国技館)

 進退を懸けた初場所での3連敗。日本相撲協会の看板でもある横綱・稀勢の里に協会幹部からも落胆の声が漏れてきた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「気持ちだ」と絞り出し、審判部の阿武松(おうのまつ)部長(元関脇・益荒雄)は「厳しいと思いますよ」という言葉を何度も繰り返した。

 重苦しい空気だった。八角理事長はテレビモニターで稀勢の里の3連敗を見届けた。「脇が甘い」と短く話し「当たって踏み込んでからと考えていたのでは」と続けた。さらに「修正できるとしたら」と問われ、「気持ちだよね。上手とか押っつけとかではなく気持ち。体を動かすのは気持ちだから。気持ちの立て直しは本人しかできない。ここまで来たらね」と強調していた。

 阿武松部長は「厳しいと思いますよ」という言葉を繰り返した。指摘したのは稀勢の里の土俵上での動きだった。「体が反応していませんね。一生懸命に相撲を取ろうとしていますが、相手のスピードに反応できていない。ブランクが長いですから。自分の頭の中で組み立てた相撲に体が反応していないですね。自分の相撲を取っても厳しい相手ばかりですから。初日から3連敗ですか? 厳しいと思いますよ」と最後も同じ言葉で締めくくった。

 また、稀勢の里が横綱昇進時に同じ二所ノ関一門の先輩として雲竜型の土俵入りを伝授した広報部の芝田山部長(元横綱・大乃国)は「横綱として、この相撲は厳しい。残念だけど」と声を落としていた。

 数々の名勝負を演じてきた横綱・白鵬もライバルを思いやった。駐車場に向かう通路で稀勢の里について問われると、「安易に引いてしまったかな」と一言だけ、つぶやいた。

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