【尾車親方の目】稀勢の里、土俵下表情に精彩なし

スポーツ報知
栃煌山(左)の攻めを必死にこらえる稀勢の里

◆大相撲初場所 3日目 ○栃煌山(寄り切り)稀勢の里●(15日・両国国技館)

 土俵下での負け残り。稀勢の里の顔を見るのが本当につらかった。一生懸命に稽古をしてきたのに無念の3連敗。稀勢の里には休場という選択肢はない。それは本人も分かっているはず。

 立ち合いは頭から当たったが、左右の脇が甘すぎた。左は得意の押っつけが出来ないで、右はバンザイの状態になってしまった。栃煌山にすくわれて体勢を崩し、そのまま寄り切られた。あっけない勝負、相撲そのものに辛抱がなくなっている。2日目より内容が悪いのも気になる。土俵下での表情にも精彩がなかった。

 先があるのならば、心の底から死に物狂いで頑張れ、失う物は何もない、恥も外聞もなく泥まみれになれとエールを送りたいところだ。前に進むのも地獄、下がるのも地獄の苦しい状況で、稀勢の里に前に進む気力が残っているかどうか疑問だ。それは分かっているはずだし、稀勢の里がどう判断するかだ。(スポーツ報知評論家)

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