【尾車親方の目】白鵬、連日苦戦…原因は集中力の欠如

スポーツ報知
白鵬が上手投げで錦木(手前)を下し5勝目を挙げる

◆大相撲初場所 5日目 ○白鵬(上手投げ)北勝富士●(17日・両国国技館)

 今場所の白鵬は、なぜかぎこちない。4日目の北勝富士、5日目の錦木と連日苦戦している。原因は集中力の欠如にあると思う。錦木との取り直しの一番。1回目の立ち合いで先に突っかけ、2回目の立ち合いに時間をかけた。集中力を高めるのに時間がかかってしまったのだ。その2回目もフワッとした立ち合い。左に右に動いて何とか上手投げで仕留めたが、らしさはなかった。

 白鵬の持ち味は、ここ一番での抜群の集中力にある。研ぎ澄まされた神経が体全体に行き届き、相手をなぎ倒してきた。しかし、この2日間は上半身だけで相撲を取っている。ライバルの稀勢の里が引退、鶴竜も調子を崩し、大関陣もふがいないなどの理由で自身も弱気になっているのか。年齢から来るものなのか。上位陣で負け知らずが白鵬だけなのはさすがだが、白鵬が崩れたら番付の意味がない。最後の砦(とりで)として頑張ってほしい。(スポーツ報知評論家)

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