稀勢の里に水戸巡業主催者が“お別れ”土俵入りを熱望

スポーツ報知
土俵入りする稀勢の里

 16日に現役引退した元横綱・稀勢の里関の荒磯親方(32)に対し18日、4月29日に開催する茨城・水戸巡業の勧進元が“お別れ”土俵入りを熱望した。同じ茨城の牛久市出身の元横綱は、ご当地の英雄で絶大な人気を誇る。巡業参加となれば相撲ファンにとっても残り少ない貴重な触れ合いの場となり、大きな話題となりそうだ。

 水戸巡業の勧進元・大関修右さん(68)は「土俵入りを協会にお願いしようと思う。あいさつもしてもらいたい」と語った。元横綱は昨年12月、右膝負傷で牛久・土浦場所を休場しており、地元から力士としての雄姿を見たいとの声が上がるのは当然だ。

若貴も披露 引退した横綱の巡業参加は珍しいわけではなく、昭和40年代までは“御礼奉公”といわれた。最近は3代目・若乃花(花田勝氏)、貴乃花(花田光司氏)が、引退相撲以外に花相撲、巡業で土俵入りを披露している。

 勧進元からオファーがきた場合、協会、元稀勢の里関本人の意向次第となるが、19年ぶりの日本出身横綱に対しては、他の巡業先からも要請が届くことはありそうだ。17日には国技館を練り歩くなどファンを大切にする元横綱だけに、各地を訪れる“御礼”の巡業に参加する可能性はある。

 元稀勢の里関はこの日、都内の田子ノ浦部屋で行われた朝稽古には姿を見せなかった。まわしを締めての稽古指導を宣言していることに加え、9月29日が濃厚な引退相撲・断髪式に向けて体を動かす必要があり、2月から本格的に汗を流すことになりそうだ。

 ◆引退後の巡業、花相撲参加 かつては引退した横綱が、巡業に参加し土俵入りを行うことがあった。92年春に引退の北勝海(現八角理事長)は横綱不在を理由に、6月のマドリード・デュッセルドルフ巡業に参加。自身の引退相撲を除き、00年春場所引退の3代目・若乃花は、春巡業や元小結・舞の海の引退相撲など21回、03年初場所引退の貴乃花は、2月の元関脇・貴闘力引退相撲、花相撲、4月の春巡業など7回、土俵入りを披露した。

スポーツ

×