【尾車親方の目】御嶽海「引いたら終わり」という気持ちで

スポーツ報知
妙義龍(右)に押し出される御嶽海

◆大相撲初場所 6日目 ○妙義龍(押し出し)御嶽海●(18日・両国国技館)

 御嶽海は立ち合いから妙義龍に負けていた。押し込まれた時に左に回り込んで引いてしまった。両足が俵に詰まり、踏ん張った時に左膝を痛めたのかもしれない。安易な引きは膝を痛める。5連勝と好調だっただけに大きな代償を払うことになるかもしれない。

 相手が前に出てきて、その圧力に耐えきれなくて引いた場合、2倍の圧力がかかる。私も現役時代に膝のけがで苦しんだ。膝を痛めると立ち合いのバネが弱くなり、押し相撲はつらくなる。集中力もなかった印象もある。15日間を気合十分で戦い抜く大相撲の難しさが見え隠れしていた。

 うちの部屋の矢後も両膝をけがした経験がある。矢後には「絶対に引くな」と口を酸っぱくして注意している。御嶽海はじっくり治療することが最優先。土俵に戻ってきた時には「引いたら負け」ではなく「引いたら終わり」という気持ちで相撲を取ってほしい。(スポーツ報知評論家)

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