貴景勝、突き3発から226キロ逸ノ城押し出し…2敗キープで白鵬追う

スポーツ報知
逸ノ城(右)に顔を張られながらも前に出る貴景勝(カメラ・池内 雅彦)

◆大相撲初場所 7日目(19日・両国国技館)

 2場所連続優勝を目指す新関脇・貴景勝が、前頭筆頭の巨漢・逸ノ城を4秒6で押し出して2敗を守った。4日目に元横綱・稀勢の里(現荒磯親方)が現役を引退してから4日連続で上位陣が休場などで消えていく波乱の新年場所。初日からの7連勝で中日を前に単独トップに立った横綱・白鵬の背中を、22歳の新鋭が猛追していく。

 貴景勝が、3発の突きで逸ノ城を土俵際に追い込む。頭と一緒に突き押しを繰り出すと、そのまま関取最重量226キロの巨体を土俵外へと押し出した。6日目の栃煌山戦では不発に終わった痛快な突き押し相撲が息を吹き返した。堂々の勝ち星を「しっかり押し切れたと思う。相手は体が大きいので体力負けする。気持ちで負けないようにいった」と振り返った。

 まわしを取られ、何も出来ずに敗れた栃煌山戦。敗因は「自分」にあった。「土俵に臨む者として弱いところが出た」。土俵に入る前の心構えを説き、「戦う職業としては、一番みっともない精神状態だった」と気持ちの面での反省を口にした。「弱さ」については多くを語らなかったが、一晩自分と向き合い、気持ちを切り替えた。この結果に「白星が何よりの材料」と納得した。

 この日、小結の御嶽海が休場を発表。三役以上が4人不在となり、新年の初場所に停滞ムードが漂うが、唯一全勝を守っているのが横綱・白鵬だ。優勝争いをすれば、大関取りの機運も高まる中、これまで3戦全敗の横綱との取組も控える。さらに同い年の阿武咲が1敗で奮闘。新関脇の三役力士、そして昨年の九州場所を制した若手のホープ筆頭として意地を見せる。

 8日目の相手は阿武咲。中学生の時からしのぎを削ってきたライバルとの対決になるが、「誰が相手でも自分のやることを考えてやりたい」と、あくまで敵は己にあり。「明日(20日)も勝負師として強い自分を出してやっていくだけ。あとはやるだけです」とキッパリ。連勝で、後半戦を迎える。(大谷 翔太)

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