【尾車親方の目】貴景勝、引くふりして出る!フェイント効果大

スポーツ報知
逸ノ城をのど輪で攻める貴景勝(左)

◆大相撲初場所 7日目(19日・両国国技館)

 立ち合いから迷いがなかった。貴景勝は226キロと大きな逸ノ城の胸に頭から当たっていった。突き放してから、手で少し引くそぶりを見せた後、再び前に出た。今場所はこのフェイントが効果を発揮している。最後は逸ノ城に左上手を取られたが、貴景勝の勢いは止まることはなかった。

 電車道だった。先場所の優勝でさらなる自信を付け、地力もアップした。相手は貴景勝の出方を研究、対策を練りながら土俵に上がっているが、貴景勝の成長のスピードがそれを上回っている。

 先場所は当たって、前に出てからの左のいなしが武器になっていたが、今場所はその武器が影を潜めている。当たりが強く2回、3回の突きで相手が土俵際まで下がってしまうので、使う必要がない。6日目は栃煌山にまわしを取られて完敗したが、15日間の長丁場。そういう日もあるだろう。急激に力を付けた貴景勝から目が離せない。(スポーツ報知評論家)

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