【尾車親方の目】「高安」消極作戦気迫の欠如「豪栄道」立ち合いの圧力弱い

スポーツ報知
玉鷲に押し倒しで敗れた高安(手前)

◆大相撲初場所 9日目 (21日・両国国技館)

 稀勢の里が引退、鶴竜と栃ノ心が休場して、白鵬とともに踏ん張らないといけない2人の大関の動きが悪すぎる。玉鷲を相手にした高安の立ち合いは右からの張り差し。本来は体当たりで相手をはじいて自分の有利な体勢をつくるのに、消極的な作戦を選択した。これは気迫の欠如に尽きる。簡単に勝ちたいという消極的な立ち合いで、張り差しが玉鷲の頭をかすめ、逆にはじかれて突かれて腰から砕けてしまった。

 豪栄道の持ち味は出足の鋭い立ち合いからさっと左前まわしを取って前に出る相撲。それが立ち合いの圧力が弱く、左のまわしに手がかかっても取ることができない。四つ相撲の隠岐の海に前に出られ、こちらも腰から砕けた。残り6番。2人に残された仕事は白鵬中心の優勝争いを面白くすること。たとえ負けても気迫のある相撲を見せてほしい。それが大関の仕事である。(スポーツ報知評論家)

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