豪風が引退「悔いは一つもない」“同期”元稀勢の里「本当にお疲れさまでした」

スポーツ報知
15年2月、稀勢の里(左)とトークショを行った豪風

◆大相撲初場所 10日目(22日・両国国技館)

 日本相撲協会は22日、理事会を開き、元関脇の東十両12枚目・豪風(39)=尾車=の現役引退と年寄「押尾川」襲名を承認した。

 幕下転落の危機に陥っていた初場所9日目(21日)に負け越しが決まり、夜に師匠・尾車親方(元大関・琴風)へ土俵から退く決断を報告。中大から学生横綱として02年夏場所に初土俵を踏んでから通算100場所、17年間の大相撲人生に別れを告げると「悔いは一つもない。力士として自分なりの潔さを出したつもり。長くやった分、多くの方に見ていただけた」とスッキリした表情だった。

 172センチと小柄ながら、闘志あふれる突き押しで相撲ファンに愛された。16日に引退した元横綱・稀勢の里の荒磯親方(32)は初土俵がともに02年の“同期”。新弟子が通う相撲教習所でも机を並べた。同親方は「一緒に切磋琢磨(せっさたくま)した。何歳でもやれる体だと思っていた。本当にお疲れさまでした」とねぎらった。23日に引退会見を行い、今後は尾車部屋付き親方として後進の指導にあたる。

 ◆豪風の記録

 ▼最年長初金星 2014年名古屋場所、当時35歳1か月での初金星は昭和以降の新入幕で最年長。

 ▼幕内在位場所数 幕内在位86場所は歴代10位で、学生相撲出身ではトップ。1位は魁皇の107場所。

 ▼幕内出場回数 幕内で1257回出場は歴代8位で、学生相撲出身力士ではトップ。1位は旭天鵬の1470回。

 ▼スロー新関脇 新入幕から所要68場所での新関脇は、史上最も遅い。35歳2か月での新関脇は、戦後1位の高齢昇進。

 ▼通算成績 通算100場所で687勝746敗、46休。

 ◆豪風 旭(たけかぜ・あきら)本名・成田旭。1979年6月21日、秋田・北秋田市生まれ。39歳。尾車部屋。金足農高から中大に進み、学生横綱を獲得。2002年夏、幕下15枚目格付け出しで初土俵。同年秋に新十両。03年春、新入幕。08年春には新三役(小結)に昇進した。最高位は関脇。敢闘賞2回、金星1回。幕内通算590勝669敗31休。172センチ、152キロ。得意は突き、押し。家族は直美夫人と1男1女。

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