白鵬10連勝!双葉山以来史上2人目の12日目Vへ

スポーツ報知
寄り切りで隠岐の海を下し10連勝した白鵬

◆大相撲初場所 10日目 ○白鵬(寄り切り)隠岐の海●(22日・両国国技館)

 42度目の賜杯に向け、単独トップに立つ横綱・白鵬が、前頭4枚目・隠岐の海を寄り切って初日から10連勝とした。唯一の1敗だった前頭15枚目・千代の国が敗れたため、10日目にして後続に2差をつける独走状態。双葉山以来2人目、1947年6月場所の優勝決定戦制度導入以降では初となる12日目優勝の可能性が出てきた。

 もう誰も白鵬の影を踏めなくなってきた。立ち合いで浅く左上手を取り右を差すと、最後はもろ差しで隠岐の海を寄り切り無傷の10連勝。単独トップを守り、1敗力士が消えても「千秋楽まで取り切るという思いだけですから」とさらり。右膝などの手術で昨年九州場所を全休。休場明けの今場所は、復活を印象付けるどころか、史上初の12日目Vすら視野に入ってきた。白鵬が12連勝し、後続と4差が付くと優勝が決まる。

 この日、巡業先で食事に行き、トレーニングの助言を求めたこともある豪風が引退した。「さみしいね」。思い出すのは昨年の初場所後。白鵬は十両陥落濃厚で引退も考えていた豪風に声をかけた。「スッキリしたのですか」。39歳のベテランは「それを聞き続けようと思った」と20年東京五輪での土俵入りも目指す白鵬の引退を、現役として見届けることを誓った。

 約束は残念ながら実現しなかった。「土俵入りの前になってしまったね。ちょっと思いはあるけど、本人が決めたこと」と白鵬。今場所は32歳の稀勢の里も含め30代の関取2人が引退。「(角界を)託された形だね」。自身も衰えを感じることもあるが、少しでも長く現役を続けるため、血液をサラサラにするアマニ油を口にするなど体調管理にも気を使っている。「まあ一番、一番だね」。静かに、そして着実に42回目の優勝へ歩んでいく。

 ◆双葉山の12日目優勝 1939年5月場所で横綱・双葉山が12日目に笠置山を破り12連勝。3敗で男女ノ川、松ノ里、安芸ノ海、照国が並んでいたが、当時の優勝制度が「勝ち星が並んだ場合は番付上位が優勝」という規定だったため双葉山の優勝が決定。これが現行の優勝制度以前で唯一の12日目優勝。ちなみに双葉山は15戦全勝Vを果たした。

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