【尾車親方の目】玉鷲、豊富な稽古が実を結んだ

スポーツ報知
優勝パレードで笑顔を見せる玉鷲(右=左は輝)

◆大相撲初場所 千秋楽 ○玉鷲(突き落とし)遠藤●(27日・両国国技館)

 落ち着きが玉鷲に優勝をもたらした。初優勝の重圧に勝って自分の相撲を取り切った。遠藤との一番、はたき込みは絶対に食わないとの気持ちが余裕のある立ち合いになり、左からの突き落としで勝負を決めた。

 二所ノ関一門の連合稽古では横綱・稀勢の里に指名されて喜んでぶつかっていった。30歳を過ぎても馬力が衰えないのは豊富な稽古量にある。むしろ若手時代よりも稽古量は増えているかもしれない。押し相撲は稽古をしないと馬力が落ちる。別な道を探すことができないからひたすら稽古を続けるしかないのだ。玉鷲の体を見てほしい。張りのあるいい体をしている。まだ上を目指せると思う。

 12日目の白鵬との一番は九分九厘、負けていた。地道に稽古を続ければ、実を結ぶという運命が導いた結果が流れを引き寄せた。一方の白鵬はこの一番を境に休場へと追い込まれていった。まさに分岐点となった。(スポーツ報知評論家)

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