貴景勝、春場所大関取りへ「今場所で決まる」

　大相撲の春場所（３月１０日初日・エディオンアリーナ大阪）で大関取りに挑む幕内・貴景勝（２２）＝千賀ノ浦＝が６日、東京・台東区の千賀ノ浦部屋で稽古を再開した。四股などの運動を約２時間みっちり行い、「場所に向けて、体作っていくつもりでいる。あの時こうしておけばよかったという事がないように。やれることだけやろうと」と汗を流した。

　春場所は、明確な目標が目の前にある。取材中、来場所のテーマについて問われると「大関になるということ」と語った。「今までは次の番付、と濁して具体的に大関と言わなかったけど、今場所で決まるから」。「三役で直近３場所３３勝」の大関昇進の目安まではあと９勝としている。だが阿武松部長は、「（来場所は最低２桁？）そうですね」と高いレベルを求めている。「自分はプレッシャーが強ければ強い方がいい。意識しながらやっていきたい」と気持ちは十分だ。

　地元の兵庫からも近い勝負の地、大阪。「僕にとって大阪は、ケガしてどん底経験したし、空手やめて相撲を始めた場所。関取になった場所でもある」。小学３年生の時、大阪の空手の大会で不正な判定に泣き、相撲に転向した。１６年春場所では幕下全勝優勝して新十両を決めた。１８年春は右足を痛め途中休場したが「一番、自分を見直すきっかけになった」。何かと縁のある地に「良い転機になる場所にしたい」と意気込む。

　初日まで、この日からあと３２日。「この３２日をどう過ごすかで、変わってくる。（右）足のこともある。自分で考えながらやりたい」と語った。初場所の千秋楽で痛めた右足裏の状態は、快方に向かっているという。「しっかり体を作っていかないと。いつにもまして、基礎をやっていかないと」と、気を引き締めた。