歴代横綱に数えられていない“大阪横綱”八陣調五郎とは…相撲博物館で「大阪と相撲」展

スポーツ報知
八陣調五郎

 東京・両国国技館内にある相撲博物館(東京都墨田区横網1-3-28)では、2月19日から企画展「大阪と相撲」を開催する。大相撲春場所は、3月10日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎えるが、現在のような3月の本場所が開始されたのは1953年(昭和28年)だが、大阪と相撲には長い歴史がある。江戸時代から1927年(昭和2年)に東京相撲と合併するまでは大阪相撲という集団があり、歴代横綱に数えられていない独自の「横綱」も活躍した。

 企画展で目を引くのは「八陣調五郎横綱土俵入りの図」(広隆画)。1897年(明治30年)ごろ。大阪相撲では、現在72代を数える歴代横綱以外の「横綱」が土俵入りを行っている。明治中期の八陣調五郎(1865~1924)もそのひとり。兵庫県西宮市出身の八陣は、大阪相撲から東京相撲に加入、幕内まで進んでから大阪に戻り、明治30年(1897)、教派神道のひとつである神理教から横綱免許を受けた。横綱在位5年で、大阪相撲の第一人者として活躍した。

 ほかには、「46代横綱・朝潮太郎使用の化粧廻し三つ揃い」、「古今相撲大全 巻之下本」(1763年)、大阪相撲番付(1776年)のほか、大阪相撲にちなんだ錦絵や三月場所の写真、大阪出身力士の手形など約90点を展示される。大阪相撲の番付は、明治元年(1868年)まで東方と西方を別の紙に刷った横二枚形式で発行され、江戸(東京)相撲の縦一枚形式とは対照的な大阪相撲の大きな特徴だ。

 博物館は、入館無料。開館は10時~16時30分。企画展は4月19日まで開催され、休館日は土、日、祝日。3月8日と4月12日の14時から展示解説が行われる。

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