元稀勢の里、大相撲トーナメントで初解説 高安初Vに「最後まで解説がやりやすかった」 

スポーツ報知
テレビの解説席で笑顔を見せる元稀勢の里の荒磯親方(左は芝田山親方=カメラ・相川 和寛)

 第43回フジテレビ大相撲トーナメントが10日、東京・両国国技館で行われ、大関・高安(28)=田子ノ浦=が初優勝。今年初場所中に現役を引退した兄弟子の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)がテレビ解説デビューした大会で期待に応えた。本場所初優勝を目指す春場所(3月10日初日・エディオンアリーナ大阪)に弾みをつけ、優勝争いを誓った。

 放送席から見守る兄弟子の目の前で、高安が初Vを決めた。共に初優勝をかけた嘉風(36)=尾車=との決勝。立ち合いから左を差して右上手を取ると、そのまま寄り切った。「胸を合わせて前に出ようと思いました。やはり優勝というのは気持ちがいいものですね」。5戦を戦い抜き、息を切らせながら笑みを浮かべた。

 幕内取組から芝田山親方(元横綱・大乃国)と初の解説を務めた荒磯親方は「酷評して下さい。もう呼ばないで下さい」と言うほど自己評価は低かった。それでも「高安が勝ち進んでくれて良かった。最後まで解説がやりやすかった」と弟弟子の活躍に感謝。親方としては新人の兄弟子を、高安がアシストした。

 横綱・稀勢の里は引退したが強力な味方に変わりはない。荒磯親方が現役時代に初優勝した17年初場所後「高安を大関に引っ張り上げる」と宣言。自身はその通り、同年の名古屋場所で大関に昇進した。現在、田子ノ浦部屋付きの親方で後進の指導にあたる兄弟子からは、初優勝と横綱昇進を目指すための指導も「任せて下さい」と背中を押されている。今後は親方の胸を借りながら調整を進めていく方針だ。

 初場所は場所前に体調を崩した影響もあり9勝。今大会で優勝賞金250万円を手にしたが「体に投資します。頑張って体を鍛えます」と浮かれた気持ちは全くない。親方から「左四つになれば強い。(優勝を)いいきっかけにしてほしい」とエールを受け「来場所は千秋楽まで優勝を争えるように頑張ります」と力強く前を向いた。(大谷 翔太)

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