覚醒した納谷が4連勝で勝ち越し

スポーツ報知
琴隆成(右)を突き出しで破り無傷の4連勝で勝ち越しを決めた納谷(左)

◆大相撲春場所7日目(16日、エディオンアリーナ大阪)

 昭和の大横綱、大鵬(故人)の孫、東幕下51枚目・納谷(19)=大嶽=が、西48枚目・琴隆成(22)=佐渡ヶ嶽=との全勝対決を制して4連勝。幕下で2度目の勝ち越しを決めた。

 怪物はやはり目覚めていた。立ち合いから一気に突っ張って、そのまま土俵の外に突き出した。「会心の相撲ですか」との質問に力強く「ハイ」と答え「良かったと思います」と言い切った。さらに「我慢が出来ています。引かないで前に出て、土俵際だけしっかり気を付けました」と続けた。

 過去2度の幕下は3勝4敗と4勝3敗と苦しんだ。原因は取り口だ。「組んでも自信がないところがありました。組んで負けたら悔しい気持ちにもなれない。それなら前に出て落ちてもいいと思いました。まわしを取られても押し返そうと。稽古場でも引かないようにしています。勝ち越し? たぶんうれしいんだと思いますけど、あと3番あるし、しっかり集中して今以上に修正しながら前に出る相撲を取りたい」。修正するところは立ち合い。この日も「踏み込みが甘かった。もっと弾けたらいいなと思います」と反省も忘れなかった。

 3番相撲の後、父の元関脇・貴闘力さんから電話があった。父からの電話はいつも負けた後。勝ち越しに王手をかけた後の電話は「きょうは負けたんだっけ」から始まった。それでも「しっかり前に押し出す相撲を取れ」とアドバイスされたという。「勝っても負けても厳しいことを言うんだなと思いました」と笑った。

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