【尾車親方の目】高安はこの7日間に優勝の勢いない

スポーツ報知
北勝富士を送り出しで下し、1敗をキープした高安(右)(カメラ・渡辺 了文)

◆大相撲春場所7日目 ○高安(送り出し)北勝富士●(16日・エディオンアリーナ大阪)

 初優勝を目指す大関・高安(29)=田子ノ浦=が、新小結・北勝富士(26)=八角=を送り出して1敗を守った。一度は土俵際まで追い込まれたが、粘りの相撲で6勝目。

 高安の北勝富士との一番は良い内容ではなかった。北勝富士の徹底した左封じに苦戦。最後は送り出しで白星を積み上げたものの、落ち着いてどっしり構え、自分の体勢になるまで我慢したという事実だけが残った。相変わらずの腰高だった。受け身になってその弱点が余計に目立っていた。

 前半の7日間は格下の相手に合わせて相撲を取っていた。しかし、これでは後半は戦えないだろう。この日のような立ち合いでは貴景勝や玉鷲に一気に持っていかれてしまう。2横綱にも通用しない。やはり関脇から大関に昇進した時のような、かち上げで相手をはじく荒々しい立ち合いが必要となってくる。

 乗用車で例えると前半は中速、後半から高速にギアを入れ、残りは5日間をフルスロットルで走ると信じたいが、エンストも十分にあり得る。はっきり言って、この7日間の相撲に優勝する勢いはない。(スポーツ報知評論家)

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