【尾車親方の目】貴景勝、小刻み突き押しで横綱引かせろ

スポーツ報知
千代大龍(右)を突き落としで下した貴景勝

◆大相撲春場所9日目 ○貴景勝(突き落とし)千代大龍●(18日・エディオンアリーナ大阪)

 貴景勝は千代大龍と頭と頭で当たり合った後、一度は引きかけたが、両足の親指がしっかりと砂をつかんでいて上体が起きなかった。下半身が安定していたから左からの突き落としが決まった。気分良く横綱・鶴竜の胸を借りられる。立ち合いなら鶴竜も負けていない。栃煌山と当たり合って左前まわしを狙い、低い体勢のまま押し出した。

 両者の過去の対戦は横綱が番付通りに3戦全勝。自在に動ける横綱についていけない結果が数字に出ている。ポイントは立ち合いよりも、むしろ当たり合った後の動きだろう。横綱は右前まわし狙い。まわしが取れなくても中に入りたい。貴景勝は遠藤との一番で見せたような小刻みな突き押しで攻め、我慢が利かなくなった横綱に引かせるシーンを作りたい。

 典型的な四つ相撲と押し相撲の激突。貴景勝には大関に向けたジャンピングボードになる大事な一番だ。(スポーツ報知評論家)

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