大関取りの貴景勝が連敗…過去データは3連敗なら絶望的

スポーツ報知
豪栄道にはたき込みで敗れた貴景勝(右)は、土俵に手をつき悔しそうな表情を見せた(カメラ・石田 順平)

◆大相撲春場所12日目 ○豪栄道(はたき込み)貴景勝●(21日・エディオンアリーナ大阪)

 大関取りに挑む関脇・貴景勝(22)=千賀ノ浦=が、大関・豪栄道(32)=境川=にはたき込まれて3場所ぶりの連敗を喫した。10日目に勝ち越してから昇進目安の2ケタ白星目前で急ブレーキ。平成以降に誕生した大関は25人いるが、昇進場所で3連敗した力士はおらず、正念場を迎えた。横綱・白鵬が無傷の12連勝で単独トップ。1敗で平幕の逸ノ城が追走する。

 貴景勝が、今場所初めて土俵にはった。昨年の秋場所5日目以来の連敗。若手筆頭の22歳の前に、34歳の白鵬に続き、32歳の先輩大関も立ちはだかった。豪栄道に立ち合いで、頭で当たったが、押し込まれた。一瞬、動きが止まると、一気にはたき込まれた。「しょうがないです。明日に向かってやるとしか言いようがない」と言葉を絞り出した。

 勝てば大関昇進だった初場所千秋楽で敗れた相手も、埼玉栄高の先輩・豪栄道だった。残すは3日。2大関との対戦を残す中、昇進ノルマの10勝以上には2勝以上が必要とハードルがより高くなった。昇進を預かる阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「まだまだあるから。自分の相撲で、どんな時も崩れなかった相撲を取ってほしい」と語り、22歳の大関候補にエールを送った。

M2で足踏み 平成以降に誕生した大関25人のうち、昇進場所で連敗した関脇は93年初場所の貴花田、94年初場所の武蔵丸ら7人。だが3連敗しての大関に昇進した者は一人もいない。今場所最大の正念場を迎え、「試練だと思うから試練。幸せなことだから」と、自らを奮い立たせた。連敗を最低限で止め、昇進へ王手をかけるしかない。

 勝負の13日目は、過去2勝6敗で直近3連敗中の大関・高安に挑む。帰り際、サインを求める小さな女の子が規制エリアの前で警備員に止められた。その女の子に自ら歩み寄り、色紙にサインを書いた。逆境に立たされても、ぶれることがない精神とその志。「ここからが勝負です」。重圧と向き合い、そして打ち勝つ。(大谷 翔太)

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