【尾車親方の目】逸ノ城、前に出る圧力が1敗キープの原動力
スポーツ報知
◆大相撲春場所13日目(22日・エディオンアリーナ大阪)
逸ノ城の強烈な立ち合いだった。左から張って右からのかち上げで御嶽海の体を起こし、頭を押さえながらのはたき。もともと、はたきの多い力士だったが、これまでは下がりながら相手の背中が見えてのはたき。今場所は圧力をかけ前に出ているから簡単に決まる。前に出る圧力が1敗キープの原動力になっている。
貴景勝は白鵬、豪栄道に負けた一番を参考にしていた。高安の圧力に負けないように、自分の方から一歩先に踏み込んで下から突き上げた。回転の速い突き押しで一方的に押し出した。
初Vを目指す逸ノ城と、大関取りを目指す貴景勝の激突。逸ノ城は右からのかち上げで勝機をつかみたい。貴景勝は出足を止められたら持っていかれる不安があるので一歩でも先に立ってハズ押しで攻めたい。立ち合いが勝負の分かれ道。25歳と22歳。目標を持った若手の楽しみな対決といえる。
(スポーツ報知評論家)