平野歩夢に中学の恩師が激励の手紙「最後はあっと驚く技や構成を見せてくれる」

スポーツ報知
予選で華麗なエアを決める平野歩夢(カメラ・相川 和寛)

◆平昌五輪第5日 ▽スノーボード男子ハーフパイプ(13日・フェニックス・スノーパーク)

 スノーボード男子ハーフパイプの14年ソチ五輪銀メダリストで、13日の予選を3位で通過した平野歩夢(19)=木下グループ=が、14日の決勝で2大会連続メダルに挑む。ソチ五輪に出場した当時、新潟県村上市立第一中で担任だった梅沢怜史さん(39)=現新潟市立木戸中教諭=が激励の手紙を寄せた。(取材・構成、大和田 佳世)

 自慢の教え子歩夢へ

 ソチオリンピックからの感動から4年。あのとき中学生だった歩夢が、さらに夢を追い続け、再びオリンピックの舞台に舞い戻ってくることができて元担任として本当にうれしいです。4年もたっているので、元担任としてという形というよりは、一スノーボードファン、平野歩夢選手の一応援者になっています。

 ソチオリンピックで銀メダルを獲得し、空前絶後の歩夢フィーバー。村上第一中学校を卒業してから、どう過ごしていくか心配をしていました。

 脚光を浴びて競技環境が更によくなり、順風満帆な競技生活を送れるかもしれないし、話題性が高くなり競技に専念できなくなる可能性もあったので、これまで競技を続けられたことにほっとしています。

 その最高のパフォーマンスを発揮するためには、最高の準備が必要です。3月の大けがを乗り越え、けがをしたことで様々な視点で競技や普段の生活を見つめ直せたと思います。そこでただ練習するだけの「ハードワーク」だけでなく、様々な葛藤や恐怖心の克服、サポートしてくれる方々への感謝など「ハートワーク」ができたことが強みだと思います。

 歩夢はエアの高さや技の難度だけでなく、向上心と負けん気が強いところも武器です。ライバルが良い点数を出せば、それを「面白くなってきた」と感じるタイプ。これまでのXゲームでもそれが出たと思います。決め技のダブルコーク1260は1440へと進化しているし、連続技も成功させているので、本番は最後の最後でみんながあっと驚く技や構成を見せてくれると思います。1440を3連続とか…。

 平昌オリンピックでは、転倒やけがへの不安、周りからのプレッシャーなどを押しのけ、自分の中の魔物に負けず、「努力の賜」を披露し100点満点の金メダルを取ってほしいです。

 これを機に、周りで支え続けてくださった方々への感謝を伝えられればと思います。

 父、母、兄、弟の家族、支えて応援してくれた友人、通っている日大、尊敬するライダーの国母選手、プロボーダーとして所属する木下グループ、道具の提供をしてくれるナイキ、バートン、モンスターエナジーといったスポンサー。日本全国にいるスノーボードファン、日本代表候補になれなかった選手、全日本スキー連盟、選手団団長の橋本聖子氏へ―。強気の中にも謙虚さを、そして競技パフォーマンスと言葉で感謝の気持ちを伝える場にしてもらいたいと思います。

 村上市立村上第一中学校 元担任 梅沢怜史

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