羽生「国民栄誉賞に恥じないスケーターになる」 記念品辞退の理由は…

スポーツ報知
羽織袴姿で首相官邸に入った羽生結弦

 平昌五輪フィギュアスケート男子で66年ぶりの連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が2日、首相官邸で行われた国民栄誉賞授与式に出席した。

 羽生はキリッとした紋付き袴姿で出席。この袴は江戸時代から仙台藩でつくられる伝統の最高級絹織物「仙台平(せんだいひら)」の人間国宝、甲田綏郎(こうだ・よしお)氏から贈られた逸品。故郷への思い入れもひとしおの羽生らしいいでたちで臨んだ。

 安倍晋三首相から表彰状と記念の盾などを贈られ、「おめでとうございます」と声をかけられると、「ありがとうございます」と応じて、柔らかい笑顔を見せた。

 国民栄誉賞には、記念品も併せて贈られるのが通例だが、羽生側の意向もあって、今回の授与は見送りとなった。

 授与式後に取材に応じた羽生は、「本当に光栄な賞。記念品は自分の中でみなさまの代表としての気持ちがある。みなさまと取れた賞であり、個人の気持ちを出したくないと思い、辞退した」と説明した。

 平昌五輪後にじっくりと治療してきた右足首については「けがも徐々によくなっている」と回復の手応えを口にした。受賞者として、背筋が伸びるような思いがある。「スケーターとして人間として素晴らしい賞をいただけることは、普通ではいけない。けじめをつけている。私生活を含めていろんなことに気をつかって、1人の人間として後ろ指さされないようにしていく」

 名だたる国民的スターが並ぶ受賞者のリストに、23歳という若さで名を連ねた。「受賞を聞いたときは恐縮な気持ちがあった。明るい光になればなと思った。国民栄誉賞に恥じないスケーターになる。自分を磨きつつ、頑張っていきたい」と、さらに続く競技人生に思いをはせた。

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