デニス・テンさん刺殺…車のミラー盗まれそうになり争い

2018年7月20日6時0分  スポーツ報知
  • ソチ五輪で銅メダルを獲得したデニス・テンさん(右)と金メダルの羽生結弦(中)、銀メダルのパトリック・チャンさん(左)

 2014年ソチ五輪フィギュアスケート男子の銅メダリスト、デニス・テンさん(カザフスタン)が同国の最大都市アルマトイの路上で19日、刃物で刺され、死亡した。25歳の若さだった。ロシア通信が報じた。カザフスタン内務省によると、テンさんは自分の車からミラーを盗み取ろうとした2人の人物を見つけ、争いになり、刺されたという。

 地元メディアの報道によると、テンさんは右大腿(だいたい)部を刺された。病院に運ばれ緊急手術を受けたが、帰らぬ人となった。3リットル近い出血があったという。警察が2人の行方を追っている。表現豊かな滑りが武器で、日本にもファンが多かった。事件の直前には自身のSNSを更新していただけに、世界中から「信じられない」の声が相次いだ。

 27位に終わった18年平昌五輪後の今季も現役を続行。今季のグランプリ(GP)シリーズは五輪連覇の羽生も出場する第5戦ロシア杯(11月16~18日・モスクワ)にエントリーしていた。ソチ五輪ではSP9位からフリー3位と巻き返し、羽生結弦(23)=ANA=、平昌五輪後に引退を表明したカナダのパトリック・チャンさん(27)に次ぐ銅メダルを獲得。フィギュアスケートでカザフスタンに初めてメダルをもたらした英雄だった。

 多くのスケーターが、自身のSNS上で突然の死を追悼した。今季現役復帰を表明した高橋大輔(32)は「デニス…本当言葉が見つからない。誰にでも優しかった人がどおして。まだまだこれからだったのに。信じられない」。チャンさんは「共にスケートをできたことを大変光栄に思い、感謝します。彼は最も美しいスケーターの1人。デニスとの思い出を永遠に大切にしたい」とつづった。

 ◆過去に殺害された主なスポーツ選手
 ▽アンドレス・エスコバル(サッカー・コロンビア代表DF) 94年W杯米国大会でオウンゴールを献上したことから、帰国後、メデジン市内でマフィアの男に射殺された。27歳の若さだった。
 ▽ブルーザー・ブロディ(米国のプロレスラー) 88年7月、プエルトリコでのWWCの興行中にゴンザレス選手と口論になり、ドレッシングルームで腹部をナイフで刺されて出血多量で死亡。42歳。
 ▽グレッグ・ハルマン(野球、WBCオランダ代表の外野手) 11年にロッテルダムで弟のジェイソンと音楽の音量を巡り口論となり、激高した弟にナイフで刺されて殺害された。24歳。10、11年は大リーグ・マリナーズでプレー。

 ◆デニス・テン 1993年6月13日、カザフスタン・アルマトイ生まれ。99年からスケートを始める。タチアナ・タラソワ氏らの指導を受け、13年世界選手権銀、14年ソチ五輪銅メダル、15年四大陸選手権優勝。18年平昌五輪はショートプログラム27位だった。現在はフランク・キャロル、ニコライ・モロゾフ氏がコーチだった。168センチ。

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