高橋大輔が募金で存続のリンクで感謝「ここから世界で活躍するスケーターが育って」

スポーツ報知
改修完成イベントで笑顔を見せる高橋大輔(手前は村上佳菜子)

 2010年バンクーバー五輪フィギュアスケート男子銅メダルで、約4年ぶりに現役復帰した高橋大輔(32)が14日、大阪・高石市で大阪府立臨海スポーツセンターの改修工事完成イベントに参加した。

 同所はかつて高橋が、織田信成らと練習拠点にしていた。2012年に財政難から存続の危機に立たされ、松井一郎大阪府知事からは耐震工事などで必要な3億円の半分にあたる1億5000万円を集められなければ閉鎖すると言われていた。そこで高橋も募金活動などに協力したほか、大口の募金もありわずか7か月後の12年10月に目標額を達成。全ての工事が今年の9月末に完了し、お披露目も兼ねてのイベントが行われた。

 高橋も演技を披露する予定だったが、約1週間前まで出場した近畿選手権大会で「体に大ダメージができてしまい」と急きょ取りやめた。抽選で選ばれた350人のファンを前に「残念ながら演技ができず、申し訳ございません。ここから世界で活躍できるスケーターが育ってくれることを祈っています」と残念そうにあいさつした。

 その後はプロスケーターの村上佳菜子らと場内を滑って周り、DA PUMPの「U・S・A」に合わせて踊るなど、楽しそうな姿を見せた。イベント後の会見では松井府知事から1億5000万円と言われた当時の感想を「正直集められると思っていなかった。でもやらずに終わってしまうより、やってだめなら仕方ない」と振り返り「日本のスケートリンクは多いとは言えない。新たにつくるのは難しいけど、いろんなところにリンクが増えることを祈っています」と話した。

 演技を取りやめたことについては「本当は滑りたかったので、申し訳ない気持ち。試合をひとつ経て、ダメージがありまして…。試合を続けていく中で無理してやってしまうと次に影響が出てしまうので、申し訳ないのですがやめさせてもらいました」と説明した。それでも自身の思い出がたくさん詰まったリンクの存続に「完成したんだなとうれしい気持ちいっぱいで、気持ちだけは届けられたらなとリンクに上がらせてもらいました」と笑顔で話した。高橋は11月1日から始まる西日本選手権に出場し、目標に掲げる12月の全日本選手権での最終グループでの滑走を目指す。

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