大坂なおみ、MVP逃しても主役…WTAファイナル21日開幕

スポーツ報知

 【シンガポール19日=大和田佳世】女子テニスの年間成績上位者が出場するWTAファイナル(21日開幕)の組み合わせ抽選が19日、当地のリゾートエリア、マリーナベイ・サンズで行われた。世界ランク4位で初出場の大坂なおみ(21)=日清食品=は1次リーグA組に入り、22日の第1試合(日本時間午後8時30分)で同8位のスローン・スティーブンス(25)=米国=と対戦する。WTA年間表彰も行われ、ノミネートされていた年間最優秀選手賞の獲得はならなかった。

 高級リゾートエリアに選手、関係者約600人が集まる華やかな場で、8人だけが参加できる今季ツアー最終戦の組み合わせが決まった。9月の全米オープンで日本勢初の4大大会シングルス制覇を果たした大坂は、ウィンブドン女王のケルバー(ドイツ)、スティーブンス、前日に繰り上がり出場が決まったベルテンス(オランダ)と同じA組に。「疲れてはいるけど、できるだけベストの試合をしたい。目標は勝つこと」と力強く宣言した。

 晴れの舞台に選んだ服はイタリアの高級ブランド、ヴァレンティノの赤いチューブトップのワンピース。25日発売の雑誌「GQ JAPAN」では男性誌で初めて表紙を飾り、ファッション好きらしく「赤が好き」と選んだ。入場時の歓声は誰よりも大きく、司会の男性に「今ここにいることは信じられる?」と聞かれると「あなたに話し掛けられているからね」と天然らしいコメントで、会場から大きな笑いが起きた。

 9月末から参戦していた中国オープン(北京)では、試合中に泣くなど不安定な面も見せ準決勝で敗退。試合のなかった前週は、背中から腰にかけての痛みの治療も兼ねて日本で調整していた。「かなり早く回復できて、良くなってきている。精神的にも準備してきた」と話す表情は明るい。

 年間最優秀選手賞は世界ランク1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が獲得し日本人初受賞はならなかったが、誰もが想像できないほどの躍進を遂げた1年になった。今大会は賞金総額700万米ドル(約7億7000万円)を8人で争う。「みんないい選手。勝ちたい」。選ばれし者だけの大会で最高のシーズンを締めくくる。

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