伊藤有希、今季初Vも「感触は良くなってきている」ライバル沙羅は棄権

スポーツ報知
表彰式で笑顔を見せる伊藤有希(カメラ・宮崎 亮太)

◆スキージャンプNHK杯(4日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=HS137メートル、K点123メートル)

 女子は伊藤有希(24)=土屋ホーム=が、2回目に最長不倒の119メートルを飛び、逆転で今季初優勝を飾った。平昌五輪を終え、新しいスタイルを模索する中、30日に開幕するW杯リレハンメル大会(ノルウェー)前最後の公式戦で結果を残した。高梨沙羅(22)=クラレ=は棄権。男子は小林陵侑(21)が273・0点で優勝。葛西紀明(46)=ともに土屋ホーム=は15位だった。

 優勝しても、歓喜のガッツポーズはない。伊藤は2回目に最長不倒の119メートルを飛び今季初Vを飾ったが、ライバルの高梨不在とあり、「1本目も2本目も、アプローチの滑りがテイクオフに生きていない」と課題が先に口をついた。

 平昌五輪が終わり「4年後に向けた、スタートの年」と位置づける今季。6月から9月にかけては、何種類もの用具をテストし「今の(スキー板)は浮力をつかめる」と、昨季より2センチ短い板でシーズン入りした。夏場は初めて、自己分析などを行うメンタルトレーニングを取り入れたほか、栄養士のサポートも受け「これまでにない」ほど健康管理も徹底。貪欲に挑戦を続けている。

 30日に開幕するW杯(ノルウェー)前、最後の公式戦を優勝で終え「内容はイマイチだけど、感触は良くなってきている」と状態は上向きだ。フィジカル面でも「(筋力の)増減をなくせば、成績も安定すると思う」と話した。

 来年2月には世界選手権(オーストリア)が控える。「最後しっかり調整して冬に間に合わせたい」。8日からは山形県で直前合宿を行う予定。実りの秋を経て、本格化する冬シーズンに入っていく。(宮崎 亮太)

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