デビュー戦Vの紀平梨花「実感がない」伊藤みどりさん絶賛「軽やか」

スポーツ報知
エキシビションで華麗な演技を披露する紀平(カメラ・馬場 秀則)

◆フィギュアスケート グランプリ(GP)シリーズ 第4戦 NHK杯最終日(11日、広島県立総合体育館)

 10日のNHK杯で、日本勢初のGPシリーズデビュー戦優勝を果たした紀平梨花(16)=関大KFSC=が11日、試合会場で取材に応じた。フリーでトリプルアクセル(3回転半)を2本決め、今季世界2位の224・31点。「憧れ」の浅田真央さんを超えたが、「(誰も)やったことないことをやった実感がない(笑い)。浅田真央さんに近づけるようにしたい」と、笑顔を見せた。女子で初めてトリプルアクセルを成功させた伊藤みどりさん(49)も、「紀平選手のトリプルアクセルは軽やか。私はダイナミックで、真央ちゃんは高さがあったけど、同じようには見えない。効率の良い跳び方をマスターしている」と絶賛した。

 強敵ロシア勢の背中も「少しずつ見えて来た」。ルール改正後の世界最高得点(238・43点)を持つ、平昌五輪金メダルのザギトワ(16)とは14・12点差。だが紀平がショートプログラム(SP)をノーミスで行えばトリプルアクセルだけで基礎点が5点上積みされ、さらに加点が付く。ステップ、スピンではレベルの取りこぼしもあり、完璧に演じ切ればザギトワ超えも現実味が帯びる。浜田美栄コーチも、「SPもフリーもそろえることができればロシア勢と戦える」と続けた。

 次戦のフランス杯(23~25日)で表彰台なら、GPファイナル(12月6~9日・カナダ)出場権獲得の可能性も十分。「狙ってもいなかったくらいだったけど、チャンスができたので狙いたい」。16歳の可能性は無限大だ。(小林 玲花)

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