羽生結弦、「この地だからこそ、しっかり演技しなくては」ロシアでGP初連勝へ

スポーツ報知
公式練習のフリーの曲かけでフィニッシュを決める羽生結弦(カメラ・高木 恵)

 【モスクワ(ロシア)15日=高木恵】フィギュアスケートのGPシリーズ第5戦ロシア杯は16日に当地で開幕する。羽生結弦(23)=ANA=は15日、会場で40分の公式練習に参加。序盤は氷に苦戦したが、終盤に復調し「このくらいの調子なら及第点は超えられている」。ファイナルを除いたGPシリーズ自身初の連勝へ、上々の仕上がりを見せた。

 エッジを使って跳ぶループは特に、会場の氷によって感覚が変わる。フリーの曲かけでループの回転がほどけた。練習時間の残り8分を切ったところで、怒濤の4回転ループ5連発をスタートさせた。「どうしたら跳べるかをずっと考えていて。自分が狙った入りで跳びたいというのがあった」。最初の2本は美しく降りた。続く3本は手をつくなどしたが納得顔。軌道を眺めてうなずいた。

 小学生だった02年、ソルトレークシティー五輪のアレクセイ・ヤグディンとエフゲニー・プルシェンコのロシア対決に胸を熱くしていた。会場ではプルシェンコのコーチを務めたアレクセイ・ミーシン氏と再会。リンクサイドではヤグディンを指導したタチアナ・タラソワ氏が見守った。「頑張ってね。いつも見ているから」と声をかけられ「そういう方々のおかげで僕はスケートを好きになれた。この地だからこそ、しっかり自分らしい演技をしなくてはいけない」と力を込めた。

 GPシリーズでは日本男子単独最多の通算10勝がかかる。「あ、そんなにするんですね。あ、そんなしかしてないんだね、むしろ」と笑った。フィンランド大会では297・12点を出し、ルール改正後の世界最高得点を記録。今大会はそれ以上の演技を目標としている。「(ジャンプを)全部きれいに降りることが大事。一日一日良くなっていくと思う」。穏やかな表情で決戦に挑む。

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