小平奈緒、貫禄の500メートル30連勝

スポーツ報知
女子500メートルで貫禄の滑りを見せ優勝した小平奈緒(カメラ・宮崎 亮太)

◆W杯スケート第1戦帯広大会第1日(16日、十勝オーバル)

 第1戦が北海道・帯広市の明治北海道十勝オーバルで開幕し、女子500メートルで平昌五輪金メダルの小平奈緒(32)=相沢病院=が37秒49で優勝した。国内外の主要大会で、2季前から続く同種目の連勝を30に伸ばした。W杯通算でも世界記録を保持する1000メートルと合わせて20勝到達。女子団体追い抜きは同五輪金メダルの高木美帆(24)=日体大助手=、高木菜那(26)=日本電産サンキョー=、佐藤綾乃(21)=高崎健康福祉大=が組んだ日本が2分57秒80で優勝した。

 小平が今季初の国際大会で、五輪女王の滑りを見せつけた。昨季のW杯は7試合ともインスタートだったが、この日はアウトスタート。感覚の違いが影響したのか第2カーブでミスが出ながらも、37秒49で優勝。「大きなミスがあっても勝てる技術を備えてきているのが分かった。ただ、そこで満足する自分じゃない。常に自分に挑戦していきたい」と風格を漂わせた。

 2季前から続く同種目の国内外での連勝は30に伸びた。「勝ち始めた当初はこんなに続くとは思ってなかった」と目を丸くしたが、連勝に特別な思いがあるわけではない。日本女子単独最多を走るW杯通算勝利数も20に更新したが「この先も続くので。何回勝ったかで(自分は)変わらない」とサラリと受け流した。

 勝敗以上に意識するのは自身の立ち位置だ。2年ぶりに国内で開催されたW杯は、スケートが盛んな十勝地方で第1戦を迎えた。平日にも関わらず、会場にトップ選手の滑りに目を輝かせる子供たちの姿を確認すると「本物の滑りを見てほしい」と願った。「負けた時にどういう振る舞いをするのか、勝った時にどういう振る舞いをするのか。記録や順位以上に示していきたい。それが未来のスケーターを育てることにもつながる」。金メダリストとしての自覚を言葉に込めた。

 今季は来年3月に高地リンクの米ソルトレークシティーで行われるW杯最終戦での世界記録挑戦を視野に入れる。開幕前の9月に北海道胆振(いぶり)東部地震の影響による停電で帯広のリンクの氷が解け、氷上練習の開始が約1か月遅れたが、自転車を使った練習で自己最高の数値を記録するなど体力面に不安はない。「トップスピードで第2カーブを回りきる技術が足りない」。明確になった課題は、残りのレースで詰めていく。

 ◆美帆、菜那、佐藤が北海道凱旋V

 高木美、高木菜、佐藤で組んだ女子団体追い抜きは2位のオランダに2秒以上の差をつけ2分57秒80で快勝。平昌五輪で金メダルを獲得した3人が地元・北海道で“凱旋V”を飾った。W杯では2季前から8連勝で、高木美は「不安はなく落ち着いてレースができた」。高木菜は「メダリストとして最低限の結果。帯広でやるので、優勝するのが一番の目標だった」と笑顔だった。

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