高木菜那、逆転で全日本優勝「最後に勝てて良かった」平昌2種目金 五輪イヤーV締め 

スポーツ報知
表彰式で笑顔を見せる高木菜那(左は酒井寧子、右は小野寺優奈)

◆スピードスケート全日本選手権 最終日(26日・明治北海道十勝オーバル)

 後半2種目が行われ、女子は高木菜那(26)=日本電産サンキョー、帯広南商高出=が4大会ぶり2度目の優勝を果たした。自身の年内最終レースで逆転優勝を飾り、平昌五輪2種目で金メダルを獲得した2018年を締めくくった。2位は酒井寧子(ねね、23)=茨城県競技力向上対策本部、帯広南商高出=。高木美帆(24)=日体大助手、帯広南商高出=、佐藤綾乃(22)=高崎健康福祉大、釧路北陽高出=はコンディション調整のため5000メートルを欠場した。

 表彰台の頂点に立った高木菜は、うれしそうに巨大トロフィーを抱きかかえた。自身の年内最終戦で4大会ぶりの栄冠を手にし、「2人(高木美と佐藤)がいない中で、頂点に立てなかったらやばいので。(5000メートルを滑り終え)いやー、つらかった。久しぶりに」と、笑いながら、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 25日の第1日を終え、総合3位につけた。最終日の3種目目1500メートル終了時点で、それまで首位を独走していた妹の高木美、前日まで2位の佐藤が5000メートルを欠場。膝痛を抱える高木菜も、出場するか悩んだが「(五輪メダリスト)3人が(一人も)いないのはダメかなと。総合優勝するために、5000には出た」。最後まで滑りきり、地元・帯広の声援にも応えたかった。

 29、30日に同地で開催される全日本スプリント選手権に出場しない高木菜にとっては、これが年内ラストレースとなった。2月の平昌五輪では、女子団体追い抜きで金メダルを獲得し、新種目のマススタートでも五輪初代女王になった。夏冬含めた五輪で日本女子初となる同一大会2個の金メダル。「今年は五輪があって、結果を残せて、いろんな経験ができた。最後に勝てて良かった」。大きく飛躍した忘れられない1年を、有終の美で飾った。

 五輪女王として突き進む今季は、来年2月の世界距離別選手権(ドイツ)など、国外の主要大会が続く。シーズンが進むにつれて「膝が痛む時もあるが、悪いタイムで滑っていない。土台作りは進んでいる」と手応えも増している。「ここからまた、もっともっとかっこいい高木菜那になりたい。周りから見て、かっこいい選手に」。言葉に強い自覚がにじむ。155センチの体が、大きく見えた。(宮崎 亮太)

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