長野金・船木和喜の親族・藤田慎之介、名手譲りの飛型で南北海道V

スポーツ報知
ジャンプの南北海道大会で表彰台に上がった(左から)2位・山根、1位・藤田、3位・大井

◆全道高校スキー(8日、名寄ピヤシリシャンツェほか)

 ノルディック種目のジャンプ競技が行われ、南北海道男子では長野五輪金メダリストの船木和喜(43)=フィット=を親族に持つ藤田慎之介(東海大札幌3年)が1本目に最長不倒の90メートル、2本合計得点を215・5点として、高校生同士での公式戦初勝利をマークした。初優勝を狙う2月のインターハイ(秋田)へ弾みをつけた。

 名手譲りのジャンプで、高校公式戦初勝利だ。藤田は1本目に90メートルのK点に到達すると、2本目も86メートルにまとめて2本合計215・5点で南北海道1位の座をゲット。「全道大会での優勝は中学時代にもなかった。うれしい」。まだあどけなさも残す期待の若武者は笑顔でタイトルをかみしめた。

 世界へ導かれる運命なのかもしれない。1998年長野五輪2種目で金メダルの船木と父・進さん(46)がいとこの関係。「小さい頃からお世話になっていたけど、テレビで飛んでいる人とおじさんが同じ人だと最初は気付いていなかった」。おちゃめに笑うが、メダリストと共有する“DNA”が今では大きな誇りだ。

 シニアを破った昨年12月の吉田杯ジャンプ大会に続く“連勝”の決め手も、船木譲りの飛型点。「板への力の伝え方など、意識している」。この日2位の山根和治(札幌日大)に飛距離では0・5メートル上回れたが、飛型点は1本目が52・5点のトップで2本目の51点が2位タイ。美しいジャンプが大きくモノを言った。「長野の飛型点20点満点はすごいこと。自分もいつか、五輪金メダルとW杯総合優勝を果たすのが夢です」。長野五輪の個人ラージヒルで5人の飛型審判員全員から満点をつけられた船木に続けと大志を抱く。

 先に世界の舞台で活躍し、飛ぶ鳥を落とす勢いの小林陵侑(22)=土屋ホーム=とは小学3年時のサマージャンプ大会に向けた合宿で同部屋だった。「当時からすごい人特有の近寄りがたいオーラがあった。自分はまずインターハイでの個人とチームでの優勝が目標。いつか追いつき、追い越せるように頑張っていきたい」。卒業後は東海大札幌キャンパスの国際文化学部へ進む予定。その前に秋田で全国の頂点に立つ。高校生活最後の冬に、さらなる飛躍を狙っていく。(川上 大志)

 ◆藤田 慎之介(ふじた・しんのすけ) 2000年11月21日、余市町生まれ。ジャンプは小2から余市黒川少年団で。甘いものが好きで、大のチョコレート党。家族は両親と弟、妹。163センチ、53キロ。血液型AB。

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