小林陵侑の弟・龍尚、準Vも笑顔なし「もったいなかった」

スポーツ報知
スペシャルジャンプで2位に輝いた盛岡中央・小林(中)

◆全国高校スキー大会第2日(9日、秋田・花輪スキー場)

 男子ジャンプが行われ、W杯今季通算10勝で個人総合首位に立つ小林陵侑(りょうゆう、22)=土屋ホーム=の弟、龍尚(たつなお、17)=盛岡中央2年=が79・5メートル、81メートルを飛び、236・4点で2位となった。全国大会では自身初の表彰台。距離女子5キロフリーは、前回大会3位の本田千佳(秋田・花輪2年)が14分16秒8で2位に入った。

 兄を想起させるジャンプを見せて、小林は表彰台で銀メダルを受け取った。それでも、笑顔は一切浮かべない。1本目のジャンプで79・5メートルで2位につけ、2本目は横風の影響も受ける中81メートルに伸ばした。藤田慎之介(東海大札幌3年)がそれを上回る84メートルの最長不倒を記録して優勝。「最低限はできたと思う。1本目は良かったけど、2本目は横風に流されてもったいなかった…」。念願の冬季高校タイトルにあと一歩届かなかった。

 潜在能力の高さを示したことが最大の収穫だ。兄・陵侑が高校2年の時に今大会と同会場の花輪シャンツェで飛んだ成績(5位)を上回った。伊藤時彦コーチ(60)は「龍尚は陵侑と同じような骨格で、身体能力も高いし、センスも持っている。陵侑に近づいていけると思う」と絶賛した。

 目標の兄から学び取った。今季はジャンプ前の踏み切りの感覚を養った。小林は「地上でのフィットネスより、ジャンプ前の飛び出しの感覚を鍛えた。踏み切りの一瞬で、力の伝え方や方向を注意した」という。練習以外でも陵侑のビデオを見て、動きを手本にした。「兄からはアドバイスをもらっていない。でもビデオを見ながら動き全体を参考にしている。その成果が出たと思う」と振り返った。

 長兄・潤志郎(28)=雪印メグミルク=をはじめ3きょうだいに続いて盛岡中央で育った。さっぽろ国体(14~17日)、全国高校選抜(長野、3月12~15日)に向けて小林は「自分のできるだけのジャンプを飛べれば結果が出ると思う」。念願の高校タイトルを勝ち取り、兄に近づく。(海老田 悦秀)

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