跳び箱で一人大技 紀平の小学校担任・柴田春香さんが回想

スポーツ報知
紀平梨花の小学校の卒業文集

◆フィギュアスケート 四大陸選手権(8日、米国・アナハイム)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)5位の紀平梨花(16)=関大KFSC=が3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を決め、フリー1位の153・14点、合計221・99点で逆転優勝した。四大陸選手権で初優勝した紀平が通った大社小学校(兵庫・西宮市)で、5、6年生の時に担任を務めた柴田春香教諭(31)がスポーツ報知の取材に応じ、紀平の驚きの運動神経と、努力家の一面について明かした。

 紀平の運動神経は小学校でも飛び抜けていた。柴田さんによれば、5年生の時に西宮市にある約40校が集う陸上競技大会で女子800メートル走に出場。紀平の通う小学校で長距離走の授業はなかったが、3位に入って表彰されたという。

 跳び箱も「ぽんぽん跳んでいた」。6年生時には、跳び箱に首と両手をつけて前転する「首はね跳び」の授業で、一人だけ首をつけず両手だけで回転し、豪快に跳んだこともあった。「当時の体育の先生も『怖いからやめて』って止めたと言ってました」。男女通じて運動神経はトップクラスだった。

 西宮市内にスケートリンクができるまでは、大社小から車で往復2~3時間かけ、大阪府内などのリンクまで通っていた。朝から夕方まで学校に通える日はほぼなく、朝練を終えて遅刻してくるか、給食を食べずに練習に行く毎日。勉強は休み時間も使って一生懸命カバーする努力家で、特に国語が得意だった。

 学校では自分からスケートの話はあまりせず「いい意味で普通の小学生の女子。お友達としゃべって、いつもニコニコ。競技との両立は大変だったと思うんですけど、落ち込んでいる姿も見たことがない」という。

 ただ、スケートが好きな気持ちはあふれていた。「『ジャンプの種類が分からへんから教えて』って言ったときには、その場で説明しながらクルクル回って教えてくれました」と、楽しそうにしていた様子をハッキリと覚えている。忙しい毎日を言い訳にせず、スケート以外も妥協しない紀平の素直な性格が、今季の活躍につながっているのかもしれない。(小林 玲花)

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