宇野昌磨、世界選手権Vへ“全開プログラム”「失敗しない」

スポーツ報知
エキシビション後にファンと触れあう宇野昌磨

◆フィギュアスケート 四大陸選手権最終日(10日、米国・アナハイム)

 【10日=高木恵】男子で主要国際大会初優勝を飾った宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=が会場で一夜明け取材に応じ、3月の世界選手権(さいたま)優勝への条件に「全ジャンプ成功」を挙げた。今回は右足首捻挫の影響で演技構成を落としたフリーで、4回転4本の“全開プログラム”をミスなく滑りきり、世界最高得点を更新する。大会後のエキシビションには、女子で初出場優勝した紀平梨花(16)=関大KFSC=らと出演した。

 宇野が世界選手権を制するための条件を掲げた。「ジャンプを全部成功させること。失敗しないっていうことが何より大切」。捻挫した右足首の影響で、今大会は4回転の数をショートプログラム(SP)1本、フリー3本に減らした構成で臨んでいた。1か月半後に控える今季最後の大一番は、全開プログラムでノーミスの演技が重要だ。

 ルール改正後の世界最高得点197・36点をマークした今回のフリーはサルコーを回避し、フリップとトウループの2種類3本の4回転を跳んだ。サルコーの代わりは3回転ループ。4回転を含めた7本のジャンプの基礎点の合計は、本来のプログラムの方が4・8点高い。ミスなく滑りきれば、今回の得点をさらに更新した200点の大台突破が見えてくる。

 昨年末の全日本選手権から1か月の間に3度、右足首を捻挫。「練習したい」という気持ちが先走り、急いでペースを上げたことで2度目の負傷に見舞われた。「無理せずに無理をする。けがする、しないギリギリのラインを頑張って練習しようと思う。世界選手権はもっともっと万全な状態に整えたい」。“全快”の右足でこそ“全開”の構成に挑める。

 昨季までの宇野は試合を「楽しむ」ことをテーマに掲げていたが、今季は違う。「楽しむって、挑戦する側だからこそできうるもの。いつまでも追いかけているだけじゃなくて、追われるっていうものを自分で考えつつ。楽しむではなくて、やるぞといったところでやる。そういった選手になりたい」。四大陸王者としてエンジョイ封印を貫き、2年連続2位の世界選手権で雪辱を果たす。

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