紀平梨花“勝負のエッジ”で今季「金」締めへ「期待に応えたい」

スポーツ報知
練習を公開した紀平梨花は金色エッジのシューズを履いて演技する(カメラ・二川 雅年)

 フィギュアスケート女子で、シニア1年目ながらGPファイナルと四大陸選手権を制した紀平梨花(16)=関大KFSC=が15日、関大・高槻キャンパスで練習を公開した。

 3月の世界選手権(さいたま)に向け、スケート靴のエッジ(刃)を両足、ラッキーカラーの金にそろえ直し「(周囲の優勝という)期待に応えたい」と金メダル獲得を誓った。同代表の宮原知子(20)=関大=は、振り付けをレベルアップして2大会連続の表彰台を狙う。

 金メダルのように光り輝く“勝負のエッジ”で、紀平が世界一に挑む。10日に閉幕した四大陸選手権(米国)では、靴が傷み急きょ、左足だけサブシューズを投入。右足は金、左は銀色のエッジで優勝はしたが、「ちょっとやりにくかった」と違和感があった。「もっとも重要」と位置づける世界選手権は約1か月後。紀平は14日夜、両足をラッキーカラーの金にそろえ直し、ギアを一段階上げた。

 エッジを替えたばかりで、この日の練習では、最大の武器・トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に大苦戦。5回連続で1回転半になるなど、らしくないミスが続いたが、練習時間残り5分でようやく1本降りると、その後はリズムよく4本を着氷。少し感覚を取り戻し「またエッジ(の位置)を変えたりして間に合わせようと思う」と慎重に、最善の位置を探っていく。

 四大陸選手権の開幕直前に第2関節を亜脱臼した左手薬指には、少し指が曲がるように作られた特製ギプスを装着した。同箇所は1年前には骨折した古傷。14日に検査を受け「骨折(の影響)もまだ残っている感じだけど、痛みもマシになった。(ギプスで)わりとやりやすくなった」と、好感触でストレスなく練習にも集中できている。

 今月下旬にはチャレンジ・カップ(オランダ)で状態を確認し、その後は米国のコロラドで約10日間の合宿を敢行。急ピッチで世界選手権へと仕上げる。今季の国際大会は、5戦全勝と圧倒的な強さを見せる16歳。優勝への期待を背負い、自国開催の重圧とも闘うことになるが「今季は何度か優勝もできたけど、やっぱり世界選手権で勝たないと。期待にも応えたい」と頼もしい限り。絶対女王は、今季の国際大会を無敗で締めくくる。(小林 玲花)

 ◆四大陸選手権の紀平 開幕3日前に足首付近が軟らかくなり過ぎた左足のスケート靴をサブシューズに変更した。開幕2日前には公式練習中にジャンプで転倒し、左手薬指を負傷するなどアクシデントが続出。ショートプログラムでは3回転半のミスで5位スタートだったが、フリーで首位との5.06点差を逆転し初優勝した。

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