【岡部孝信の目】高梨沙羅、お尻下がって空中で抵抗増

スポーツ報知

◆ノルディックスキー世界選手権第8日(27日、オーストリア・ゼーフェルト)

 ジャンプ女子個人(ヒルサイズ=HS109メートル)で、高梨沙羅(22)=クラレ=は合計236・7点で、11年大会と並び世界選手権では自己ワーストタイの6位に終わった。平昌五輪金メダルのマーレン・ルンビ(ノルウェー)が259・6点で初優勝した。高梨は1回目に101・5メートル、2回目に102メートルをマークしたが、表彰台争いには加われず。伊藤有希(土屋ホーム)は15位、丸山希(明大)は17位、勢藤優花(北海道ハイテクAC)は28位だった。

 沙羅は今季序盤のように、助走姿勢でお尻が低く、上半身が上向きに飛び出して空中で抵抗を受けていた。お尻が下がるのは、踏み切りで強いインパクトを与えようと力を入れたときになりがちだ。ただ、海外勢も決して絶好調ではなく、沙羅も合わせて調子を落としてしまっている。状態が上がらない焦りもあっただろうし、世界選手権を大きく受け止め過ぎて、慎重になった部分もあったかもしれない。

 次戦の混合団体では、男子が好調なので、引っ張られるように良いジャンプもできると思う。ドイツが手ごわいが、日本も金メダルが狙えないことはない。沙羅自身の技術も、そこまで大きく乱れてはいない。あまり悩み過ぎず、メダルを取れれば今後につながるだろう。(98年長野五輪団体金メダリスト、雪印メグミルク・スキー部コーチ)

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