紀平梨花、フリーで奇跡起こす 練習終盤3回転半7連続着氷

スポーツ報知
フリーへ向け、順調な調整に笑顔の紀平(カメラ・矢口 亨)

◆フィギュアスケート 世界選手権 第2日(21日・さいたまスーパーアリーナ)

 フィギュアスケートの世界選手権は22日に女子のフリーがさいたまスーパーアリーナで行われる。21日のサブリンクでの練習では、首位と11・18点差を追いかける7位の紀平梨花(16)=関大KFSC=がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で驚異の安定感を発揮。練習終盤に、7本連続で着氷するなど感覚が戻ってきた。2位につけた坂本花織(18)=シスメックス=、SP8位の宮原知子(20)=関大=も調整した。

 本番衣装に身を包んだ紀平が、徐々に大技への感覚を研ぎ澄ませていった。SPではトリプルアクセルが1回転半になるミスで、70・90点の7位で出遅れた。修正するためにも「このリンクに合わせた(トリプル)アクセルを頭に焼き付けないと。たくさん跳ぶしかない」と話していた通り、集中的に跳び続けた。

 フリー「ビューティフルストーム」の曲かけでは、冒頭にトリプルアクセル―3回転トウループを決め、練習終盤には7本連続で着氷。大技成功の感覚を体に染み込ませた。

 今季国際大会6連勝中で、そのうち4度の逆転Vを果たしたが、11・18点は自身最大の点差。さらに今季フリーのベストは首位のアリーナ・ザギトワ(16)=ロシア=の方が3・78点高く、厳しい状況に追い込まれた。優勝するためには、トリプルアクセル2本の成功を含め、ノーミスの演技が絶対となる。

 憧れの浅田真央さんの17歳を上回る日本女子最年少Vがかかる大一番。SP後はすぐに「やるしかない」と切り替えに努めている。今季、全試合で1位と絶対的自信を持つフリーで奇跡を起こす。(小林 玲花)

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