宇野昌磨、転倒SP6位 苦笑い「フリップの失敗が本当に悔やまれる」

スポーツ報知
男子SPで演技する宇野(カメラ・相川 和寛)

◆フィギュアスケート 世界選手権 第2日(21日・さいたまスーパーアリーナ)

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、初優勝を狙う宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=は、冒頭の4回転フリップの失敗が響いて91・40点の6位と出遅れた。「同じ失敗は繰り返さない」と、23日のフリーで巻き返しを期す。

 思わず苦笑いが漏れた。野心を胸に滑った宇野は91・40で6位に終わった。冒頭の4回転フリップで転倒し、波に乗れずじまい。「フリップの失敗が本当に悔やまれる」。何度も反省が口をついた。

 強烈に勝ちを意識した気負いだったのか。コースどりがいつもと微妙にずれ、壁に近付きすぎた。それがフリップの失敗を呼んだ。続く4回転―3回転の連続トウループでは、3回転を2回転に抑えた。「逃げたという言葉がふさわしい。潔く逃げました。これ以上失敗すると優勝はできない」。望みをつなぐため、あえての作戦をとった。

 世界選手権は2年連続2位。「自分の満足いく演技ができたらいい、結果を気にせずっていう演技をモットーとしてきた」という宇野が、変わった。「結果を求めて試合に臨みたい」。貪欲な姿勢を隠そうとしなかった。

 昨年末の全日本選手権から1か月の間に3度、右足首を捻挫。「練習したい」という気持ちが先走り、急いでペースを上げたことで度重なる負傷に見舞われた。ある意味でこれも貪欲さの表れだったのかもしれない。

 不安を抱えて臨んだ2月の四大陸選手権のSPはフリップを回避し、4回転1本の難易度に構成を落とした。今大会は2本の構成に戻した。練習でも好調だっただけに、なおさら悔いが残る。「やり直しは利かないので、フリーで同じ失敗を繰り返さないようにしたい。ショートのように無難な演技をしていたら勝てない。最後は攻めないといけない」。自分を奮い立たせるように言った。(太田 倫)

スポーツ

×