坂本はジャンプだけじゃない 演技構成点は全体2位 4項目で9点台

スポーツ報知
坂本花織のフリーの演技

◆フィギュアスケート 世界選手権 第3日(22日、さいたまスーパーアリーナ)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位から逆転を狙った全日本選手権女王の坂本花織(18)=シスメックス=が145・97点、合計222・83点の共に自己ベストをマークしたが5位に終わった。わずか0・97点差で表彰台に届かなかった初の世界選手権を終え「この舞台ですごく悔しい経験をできた。次に頑張ろうと思えた」。涙で言葉をつまらせた。

 「すごい今日はよく滑るなと思っていた。スピードがありすぎて、フェンスぎりぎりだった」という冒頭のフリップ―トウループの連続3回転を成功。次々とダイナミックなジャンプを決めていった。四大陸選手権で失敗した2回転半からの3連続も決めた。しかし続く3回転フリップが1回転になる痛恨のミスが出た。

 ジャンプに定評がある坂本に、今季は表現力が新たな武器として備わった。昨季の自分の滑りを「ただ滑っているだけだった」と苦笑いで振り返る。振付師のブノア・リショー氏の指導のもと、フリー「ピアノ・レッスン」の世界を演じあげた。芸術面を評価する演技構成点は5項目中4項目で9点台をそろえた。73・26点はメドベージェワを上回り、ザギトワに次ぐ全体2位。いつもは辛口の中野園子コーチも「今季は大人のスケートが出来るようになった」と評価した。

 「すべての試合で表彰台」を目標にスタートした今季だったが、GPファイナル、四大陸選手権は4位。今大会は5位と、あと一歩が足りずに悔しい思いを繰り返した。「来シーズンは気持ちも体もしっかり一から作り直して頑張っていきたい」。3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)挑戦も視野に入れている。中野コーチも「本当の女王になれるようにもっと磨かないと。いつでもパーフェクトに滑ってこそ女王」と期待を込めた。

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