羽生結弦、鬼の調整…完璧ループで奇跡を起こす! 23日にフリー演技
スポーツ報知
◆フィギュアスケート世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)
男子SP3位の羽生結弦(24)=ANA=が22日、公式練習に臨み4回転ループに12本連続で挑む鬼の調整を済ませた。首位のネーサン・チェン(米国)との差は12・53点。23日のフリーでの大会史上最大の逆転劇へ、冒頭のループが鍵となる。
終了直前までの15分の集中特訓だった。鬼気迫る表情で4回転ループを跳び続けた。空中で回転がほどけて1回転になるなど、なかなか決まらない。氷上に残る軌道を見返しながら微調整を繰り返した7本目、完璧な4回転ループを降りてみせた。その1本を機に3連続で成功。氷上で右拳を握った。
同ジャンプは昨年11月のロシア杯のフリー当日の公式練習で右足首を負傷する原因となった技。年明けから氷上練習を再開し、3週前に「50本に1本跳べるようになったくらい」という状態から、構成に戻せるまでに精度を上げてきた。この日は19本に挑み、クリーンな着氷は5本だった。
「Origin」の曲かでミスが出た4回転トウループ―3回転半の連続技も修正した。SPで失敗した4回転サルコーはトライした3本をすべて成功させ、感覚を取り戻した。世界選手権での最大逆転は16年大会のハビエル・フェルナンデス(スペイン)の12・04点差。「自分の構成をしっかりやりきって、一つ一つきれいなジャンプを決めていきたい」とSP後に話した羽生。“さいたまの奇跡”へ、思い入れの強いプログラムで今季初のノーミスをやり遂げる。(高木 恵)