羽生結弦、国別対抗戦を欠場…右足首完治せず

スポーツ報知
羽生は右足のけがが癒えず国別対抗戦を欠場することになった

 フィギュアスケートの世界国別対抗戦(4月11~13日・マリンメッセ福岡)の日本代表が25日、東京都内で発表され、世界選手権2位の羽生結弦(24)=ANA=は昨年11月に痛めた右足首が完治していないためメンバーから外れた。男子は宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=、田中刑事(24)=倉敷芸術科学大大学院=、女子は紀平梨花(16)=関大KFSC=、坂本花織(18)=シスメックス=が選ばれた。

 右足首の痛みを抱えながら戦い抜いた世界選手権が、羽生の今季最終戦となった。壇上で日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長が読み上げた日本代表メンバーに、日本のエースの名前はなかった。連盟には、24日の同選手権エキシビション後に欠場を報告した。

 羽生は日本スケート連盟を通じてコメントを発表した。

 「ロシアで痛めた右足は完治していませんが、世界選手権に向けてがんばってきました。しかし今、さらに右足に負担をかけることは厳しく、医師からも引き続きの加療が必要と言われました。国別対抗戦に出場できないことは残念ですが、一日も早くけがを完治させ、来シーズンに向けて練習に励みます」

 昨年11月のロシア杯で右足首を負傷し、年明けに氷上練習を再開した。完治を念頭に置き、薬を服用せずに練習を始めたが、4回転ジャンプの着氷で足首にかかる負担はやはり大きかった。4か月ぶりの実戦となった世界選手権開幕前に「まずは試合に出られる状態に戻すことを重点的にやってきた」と話したように、この2か月は平昌五輪の時と同じ痛み止めを服用しながらリンクに上がっていた。

 右足首は平昌五輪前の17年11月にも痛めている古傷。「明らかに今回の方が治りが遅いし、状態も悪かった。足首の耐久性、寿命みたいなものも加味したうえで、リスクを負いながら練習しなければならないということを改めて突きつけられた」と試合後に話していた。覚悟をもって臨んだ自国開催の世界選手権は、世界最高得点で連覇したネーサン・チェン(19)=米国=に敗れたが、日本勢男女合わせて唯一のメダルを手にした。今は体を休め、世界王者奪回がかかる来季に向かう。

 ◆羽生の右足首故障からの経過

 ▼18年11月17日 GPロシア杯フリー当日の朝の練習中に4回転ループで転倒し、右足首を負傷。

 ▼11月29日 GPファイナル欠場を発表。日本での精密検査の結果は右足関節外側靱帯(じんたい)損傷、三角靱帯損傷、右腓骨(ひこつ)筋腱(けん)部分損傷。3週間の安静固定、その後リハビリ加療に約1か月を要する見込みと診断。

 ▼12月13日 同20日開幕の全日本選手権欠場を発表。

 ▼19年3月18日 拠点のトロントから日本へ。120日ぶり公の場。

 ▼3月21日 世界選手権SPは4回転サルコーが2回転になり94.87点3位。

 ▼3月23日 フリー206.10点、合計300.97点で銀メダルを獲得。

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