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小学校時代からのライバル森内俊之九段が語る羽生の強さ「考えるスタミナがすごい」

2017年12月6日7時0分  スポーツ報知
  • 小学校時代からのライバルである羽生の永世7冠について語った森内俊之九段

 森内俊之九段(47)は、史上初めて「永世7冠」の称号を手にした羽生善治竜王(47)を誰よりも知る男だ。小学4年時から羽生竜王と世代の頂点を争い、名人戦では9度も雌雄を決してきた森内が、出会った当時を振り返りながら、永世7冠の強さの秘密を語った。

 雌雄を決する宿敵として、切磋琢磨(せっさたくま)する盟友として、森内は羽生と歩みをともにしてきた。小学4年時から現在に至るまで37年間に及ぶライバルだ。「羽生さんがいなければ自分は今の自分にはなれなかった。感謝しかありません」

 1981年、東京・新宿の小田急百貨店の屋上で行われた子供将棋大会で羽生と初めて会った。「予選1回戦で、隣で私よりも強い私の友人と指していたんですが…順当勝ちしていました」。準決勝では直接対決した。「優勝したのは…羽生さんです」。同期で奨励会に入会。20代前半まで同じ研究会で鍛錬を積んだ。ただの好敵手にとどまらない特別な存在だ。

 通算8期を獲得した名人戦を筆頭に、長い持ち時間の将棋で無類の強さを発揮する森内だが、羽生の「脳の体力」には舌を巻く。「考えるスタミナがすごい。将棋を指していても感じますし、一緒に米国のチェス大会に出た時、7時間のゲームを一日2試合のペースで4日間やってもケロッとしてる。この人は何やっても強いんだなと思いました」

 長い期間、第一線で走り続けることができるのも、そのスタミナゆえ。「調子が悪そうだな、という時もありますし、不調と言われた時もあったと思いますけど、彼は短い期間で立て直してくる。安定感は誰にもまねのできない部分です」。スタミナが修正能力と切り替えのうまさにもつながる。

 現在進行形で強さを更新している点にも驚いている。「技術が最も高い棋士でありながら、他の棋士にはない多面的な思考もできる。最近の将棋は今までの常識が通用しなくなってきていますが、羽生さんは確固たる基盤を持ちながらも随所に工夫を凝らして新しいものにチャレンジする。常に向上心を失わずに進化を続けている」。そこに強さの秘密がある。

 名人戦で9度も戦った。「小学生の仲間と名人戦を指すなんて奇跡としか思えませんけど…さらに永世7冠は想像を絶します。数十年をかけて達成したわけですから、将棋界において極めて難易度の高い記録です」。2007年、自らも羽生より先に永世名人(十八世名人)の資格を得た大棋士だけに、偉業への敬意がにじむ。「これからも羽生さんのような人は現れないと思います」

 ◆森内 俊之(もりうち・としゆき)1970年10月10日、横浜市生まれ。47歳。82年、羽生新竜王と同期で「棋士養成機関」奨励会入会。16歳で四段(棋士)に。タイトルは名人8期など通算12期で永世名人(十八世名人)資格保持者。

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