世界中から平昌へ「ユヅリスト」集結

スポーツ報知
羽生の応援に“ユヅリスト”が集結。ドイツとベトナムから駆け付けたファン

 男子フィギュアスケートの羽生結弦(23)の復帰初戦に世界から“ユヅリスト”が集結した。16日、男子ショートプログラムが行われた江陵アイスアリーナ(1万2000人収容)を取材すると中国、ベトナム、フィリピン、ドイツ…ファンの居住地はまさに多国籍。「世界のハニュウ」を裏付ける格好となった。

 大きな日の丸を持ってアリーナに向かって来る2人の女性を見つけた。声を掛けると日本から羽生応援ツアーで来た親子連れだった。会場から車で約1時間離れた束草のホテルから朝方出てきたという。

 青森県八戸市の母・秋山尚子さん(56)は「けがをしても前向きな気持ちに感動しました。芸術的な演技が金メダルにつながれば」。娘の有里瑛さん(27)は、羽生の出身地・仙台在住。「自分より若い子がこんなにがんばっている。応援せずにはいられません」

 羽生の写真を使ったきれいな応援パネルを持っているのは、ベトナム・ハノイから来たファンたちだ。ドイツに留学中の友人も呼んで韓国で合流したという。ソチ五輪でユヅルの虜(とりこ)になったというフォンさん(24)は「この日を待ち続けて来ました。金メダルを取るのは彼しかいません」。

 男の子を抱っこして来た家族連れの蔡中瑜さん(33)は中国・南京市から来た。「私の影響で夫もファンになりました。旧正月休みのハイライトです」。手には羽生が大好きなくまのプーさんのぬいぐるみが握られていた。

 開場の1時間前に行き、プレスIDを外してダフ屋に声を掛けられるのを待ってみたが、意外にも全くいなかった。チケット売り場に聞いてみると、C席(約1万5000円)は満席だったが、B席(約3万5000円)は100席以上の空きがあった。A席(約5万5000円)は午前10時までは1席だけ空いていた。

 羽生が、非の打ち所のないパフォーマンスを見せると会場内にはたくさんの日の丸が掲げられた。だが、日の丸を持っていない人たちをも興奮させた。生中継した公営放送KBSのアナウンサーは「自信に満ちた姿です。最高の姿。称賛するしかありません」と絶賛した。

 会場外の気温は氷点下2度だった。プーさんの着ぐるみを着て出てきた女性はフィリピン・マニラ出身。「冬の韓国は寒いからってママが作ってくれたの」と言っていたが、興奮していて全然寒そうに見えなかった。中国からの団体客にも声をかけてみた。「金メダルは羽生ですね」と聞くと笑顔で「プーサン、プーサン」。応援してくれるのかと思ったが、彼らのお目当てはSP4位だった同国の金博洋(20)。よく聞いたら「不想(プーシャン)=そうは思わないよ」と言っているのであった。

社会